情報技術科 No.25 鶴見苑子
①研究の背景
金管楽器の家庭内での練習は厳しいものがある。防音室の設備や立地というのは、そうすぐに変えることはできない。運指の練習のみのため楽器を持ち帰るのは難しい場合がある。
また初心者で「挑戦してみたい」となっても、簡単に買える額ではない。このことで触れる機会も減ってしまう。
②仮説とねらい
感覚をつかむ大事な期間、簡単に練習できる機会を作る。マウスピースの周波数とピストン(操作ボタン)の情報で出る音を判断し、音を鳴らす。
ソフトウェアで作る案もあるが、ミニゲームと化してしまう気がしたので、ハードで作って、実際の演奏体制によせ、実用的にする。
音を判定することに重点を当て研究をする。マウスピースの重音など音を信号として読み取る。
③研究内容
[1]マウスピースから出る周波数をマイクロフォンで電気信号に変換。
[2]アンプでフィルタリングと増幅を行い、A/D変換する。
[3]ピストン(押しボタン)の情報を1,0に変換して、A/D変換した信号との組み合わせで音を定め、音源に入力信号として渡す。
[4]外部設計。
増谷先生に書いていただいたものです。
④技術的知識
R8マイコンのA/D変換。オシロスコープでの周波の増幅。
⑤取り組んだ内容
[0]マイコンによるプログラム実験
・dipswichによるピストンの情報判定
マニュアルソースの読み取り
実際の音出し、機能理解
・timerRCのPWMモードによる発音
・timerRC割り込みにより、adを起動させる
・倍音判定の実装
[1]マウスピースから実際になる音の範囲を測定。
どのタイミングで音を読み取り、倍音処理をどうすればよいかをオシロスコープで波形をみて調べる。
「尖頭値測定方式」を考案。
実際にソースを作成。結果正常に動作するときとしない時とある。
そのためフーリエ変換を考慮しなければ、となる。
(家でレポート書いているんですが、実際のソースとか写真完全に忘れててありません。プレゼンのやつです。)
https://www.yukisako.xyz/entry/fourier-transform
[2]周波数の範囲を把握する。
A/D変換しRCカウンタで切って読み取る。
[3]音源も含む外部設計。
テーマ:「小さく、でも本物に近い設計」
ピストン部のカバー
清掃可能な設計(取り外し可能なねじ/角、空洞の作成)
音漏れ防止(空気孔、長い管)→実証不可。
強度(マウスピース部密度上げ、別刷り)
⑥結果
ソフトウェアが不完全。筐体設計は設計どまり。見かけ上の形にはならなかったが、動く素材は自分で作り上げることができた。
⑦感想・考察
初めてのものづくり。実用的に活用できることを念頭に置いた制作を通じて、音の仕組みなどを学べた。苦手なハード部門へ進んで取り組んだおかげで、ひとつ成長できた気がした。完成までに至らなかった原因として、原理や理論がはっきりしていない0からのものに「やってみよう」と取り組んだため、結果思っていたより形にはならず終わってしまった。